Kindle Unlimited Japan

キンドル・アンリミテッド★Kindle Unlimitedの活用法

Pocket

キンドル・ペーパーホワイトを入手してから一年半ほどになる。

夜寝付けないとき、深夜突然本の続きが気になったとき等に隣に寝ている家族を起こさずに読書ができるし、人の家に泊まりに行ったときでも仰々しく部屋の電気をつけずに済むのでとても重宝している。

かかりつけの目医者にこのところ夜電子リーダーで読書しているために、長年安定していた視力が少し下がったのでは?と尋ねてみたが、この先生によると「今どきデジタルでものを読むのは当たり前。視力には影響ない!」と。

この意見を信じるか否はまた別の機会に話すことにして、キンドル・アンリミテッドの話・・・

昨年、日本語欠乏症を改善するためにフランスから日本のアマゾンのキンドル・アンリミテッド(月額980円)に申し込んでみた。

最初の月は「30日間無料体験」なはずなのだが、筆者は過去に好奇心でとりあえず一ヶ月足らず試したことがあったため、読み放題登録を申請すると無料とはならず、申込み直後に月額の請求が即到着。

体験ボタンを押してしまいすぐキャンセルしても、キンドル・アンリミテッドは一ヶ月単位の契約なので、結局一ヶ月間は無料体験せざるを得ないという仕組み ↓↓

Kindle Unlimited Japan membership

これは月半ばにメンバーシップを解約する際も同じことで、月契約最終日を一日でも超えると、次の一ヶ月後までアンリミテッドが使用できる代わりに、日割りで払い戻しもしてもらえない

そう、この「無料期間」は過去に一度でも使用したことがあれば、二回目からは直接加入となってしまうのだ。そうしないと、何回も無料期間を繰り返していればタダで使えるサービスになってしまう。しかし、アマゾンに別アカウントを所有していれば、また新しくこの「無料お試し期間」を使うことができる。

ただ、ひとつのキンドルに紐づけできるのはひとつのアマゾンのアカウントのキンドル・アンリミテッドなので、二回目の無料お試しが運良く手に入っても、キンドルを2個所有していなければあまり意味がないダタの一ヶ月でもある・・・

毎回再起動して別アカウントでログするという方法もあるのだろうが、そのたびに最初のアカウントで購入した本にはアクセスできなくなる。この方法は、一個のキンドルで海外の現地アマゾンサイトで購入した現地語電子書籍(日本のサイトから買うよりかなり安い)+日本のアマゾンサイトで購入した日本語電子書籍(海外のサイトで売っている日本語書籍は非常に少数)を使い分けなくてはいけない人がやっていると聞いたことがあるが、面倒なので一個しかキンドルを所持していない私は、キンドル本は日本のサイトでのみ購入することにしている。

また、キンドルのハイライト機能を使用すれば、アンリミテッドで返却した本でもハイライトした部分だけは「メモとハイライト」ページからアクセスできるのはかなり有り難い。 この機能は数年後に読み返して当時そんなものを読んだんだ的な読書ノートとしてや、ハウツー本など読み飛ばしながらポイントだけ後で読み返したい時にとても便利な機能である。

私が一年ほど試してみて思ったのは、読書に時間がさける時期ならば、日本語に飢えている海外在住者にとって、目的がとりあえず日本語に触れるということならば、キンドルの読み放題はなかなか素晴らしいサービスと言える。

自分の読みかけの本を持参していながら、美容院にある雑誌をなんとなく貪り読んでしまうのと同じで、とりあえずタダ読みできるんだったら見ておこうかな、という感じ。

こういう気楽さがなによりアンリミテッドの長所だと思う。

日本に住んでいれば、いつでも駅の近くの書店に足を運べば興味のある本を立ち読みできるが、海外からだとまさか立ち読みのたびに飛行機に乗るわけにもいかないし、近隣の街に必ずしも日本語の書店があるわけでもない。

だから、アマゾンの「なか見!検索」などは出版地から一万キロ離れたところで立ち読みできるという、非常にナイスな機能。

自分の本を少しでも多くの人に読んでもらいたいと思っている著者・出版社、そして読者にというほぼ万人(一部の人にしか自著を読んでほしくない奇特な著者もいるかもしれない)に役に立つ。

が、「読み放題」というには旬な本はセレクションに入ってない。やはりアンリミテッドにしなくても売れる本はそもそもリストに入っていない可能性が高いか、期間限定で一ヶ月くらいだけ入っていたり。

だからこそ、イマの本を期待して加入していると、遅かれ早かれ物足りなくなってくるかもしれない
最初は決して高くはないと思うが、しばらくすると「大して使わないで会員登録してるだけなら、本当に読みたい本がこの月額で買えた」という気さえしてくる。

結局、キンドル・アンリミテッドとは、有料の月極め図書館カードみたいなものである。一度に貸出しできるのは10冊まで。それ以上になると、借り出しているものを返却して、新しい本を借りられる仕組みである。もちろん会員登録をやめてしまうと借りた本へのアクセス権はなくなる。

それに、「本を読む」のが好きな人でも読書には波がある。
一月十冊以上読める読書月もあれば、もう一冊読むのもしんどい、という月もある。
ネット記事を読むのも同じなのだろうけど、読みたい気分のタイミングや仕事やなにやかやとの兼ね合いによって、気分が乗らなければ全然読めないし、読まない。

活字より映像の方がいい月(これは日や週にも置き換えられる)もあるし。

私は、今年の春くらいから活字だけの本に疲れてきて、アンリミテッドを使って結構マンガを読んだ。

昔姉が好きだった竹宮恵子の『地球(テラ)へ』や『アンドロメダ・ストーリーズ』をアンリミテッドで見つけて読んだら、小学校のときドキドキしながら『11人いる!』(萩尾望都・作)のページを繰っていた時代のことを思い出した。

マンガも期間限定ですぐ消えてしまうものも多いし、結構古いものが多かった。
著作権が切れているほど古いわけではないにしても、「おー懐かし~!聞いたことあるけどこれ読んでなかったっけ」的なノリで読みたくなるものがポロポロというところ。

マンガはそもそもモノクロで文庫本サイズでレイアウトされているものなので、キンドル画面で少々小さくなって吹き出しがやや読みづらいときはあるものの、さほど不自由は感じなかった。

筆者が昨年アンリミテッドで読んだのは、『鉄腕アトム』、『クライイングフリーマン』、『ドグラ・マグラ』、『デュエット』、『金田一少年の事件簿』、『女帝』(マンガ)、『なぜ、はたらくのか-94歳・女性理容師の遺言』、『東京防災 ~今やろう。災害から身を守る全てを』、『ビットコインはなぜヤバい』、『無人島に生きる十六人 』、『真珠夫人』、『スパイのためのハンドブック』、『視力回復1-2-3トレーニング』、『まだ歯医者には行くな』等々、アンリミテッドどころかそもそも0円で配給されているものも含んだ結構レトロなものが中心。

そして八ヶ月ほど経って活字疲れしていた春以降は、ちょうど日本に帰国することが決まっていたし、なんとなく日本の旬な情報を取りたくて雑誌メインに気の向くままにクリックしていた。

『Pen(ペン)』、『GISELe(ジゼル)』、『VOGUE JAPAN(ヴォーグジャパン)』、『Lightning(ライトニング)』、『Casa BRUTUS(カ-サブル-タス)』とか。

ところが、キンドルより全然大判な雑誌サイズはキンドルレイアウトには全く適応されておらず、単なる縮小版なため、拡大しなくては読めない文字の小ささ。しかも、雑誌の美しさは、その色彩と見開きページのレイアウト。

なのに、キンドルでは見開きの半ページずつしか表示できないのである・・・

そもそもフツウの単行本フォーマットに作られているので、見開きページというのが想定されていない。
しかも雑誌好きに致命的なのは、キンドルはモノクロのみという事実。

少なめの文字数でもカラー写真が付いているからこそ、的確に伝わる情報が多い雑誌がモノクロでは、言いたいこともいまいちわからない・・!という現象が発生する。

悲しいかな、これがキンドルのリミット。
アンリミテッドのはずが、逆にその「リミテッド」さを露呈することになってしまったというところか。

 

とはいえやはり、キンドルは夜の読書の際の内蔵バックライトの利便性やストック場所をとらないコンパクトさで、いまのところはまだまだオキニな私のノマドアイテム。

それに、キンドル電子リーダーに固執しなければ、雑誌の「カラー&見開きでないと楽しめない」という特性は、『Kindle pour PC』というPCアプリをダウンロードすればほぼクリアできる。

もしくはkindle Cloud ReaderにPCやタブレットから接続したクラウド上で雑誌を読めば、スクリーンサイズに応じて可読性の高いレイアウトが楽しめるので、そういう使い方ができる方にはアンリミテッドはやはり有用かと。

しかし、考えてみるとつい近年まで、眠れない夜はあらぬ夢想をしたり、やむを得ずライトを灯して読書したりしていたのが遠い昔のことのよう。
慣れてしまうと、便利な電子ツールLOVE♥LOVEのはずなのですが、「そんなのなくても充実した時間を過ごす方法」っていうのも考えておかないとなんだか文明ボケしそうな気もするこの頃。

不便さが懐かしいまでとは言わないが、不便だったからこそ知恵を絞り、偶然の発見があったりしたことも多かったような。

文明の利器と賢くつきあうバランスって結構ムズカシイ。

Pocket