キンドルリーダー

海外のアマゾンで購入したキンドル本を日本アマゾンのアカウントに登録したデバイスで読みたい!

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海外生活が長くなってくると日本語を読む機会は非常に貴重である。

以前、キンドルという電子書籍リーダーを海外から使用しつつ、日本のアマゾンでキンドル本を購入する方法を自分で試してみてできたことを記事を書いたが、日本語だけでなくやはり現地の言語で読む必要、もしくは英語で読む必要も出てくる。

私の場合は、キンドルペーパホワイトをひとつしか所有していないので、これまでは日本のアマゾンサイトにこのデバイスを紐づけしてすべての電子本(日本のアマゾンで購入した日本語、英語、フランス語のデジタル本)を読んでいた。しかし、確かにそれぞれの国のアマゾン現地価格で購入した方が本だって当然安いので、他国のアマゾンサイトでうっかり値段を確認してしまうと、日本価格で買うのも悔しい。

配送料のない電子書籍なのだし、試すのが面倒臭くて今まで日本サイトのみで購入してきたが、最近読んだ本の続編が日本ではアメリカのサイトの倍近い値段で販売されているのに気づいて、ようやく複数国で購入した電子コンテンツをひとつのキンドルに落とし込む方法を模索してみることを決意。

とりあえず、主に興味のある本が日本語と英語なので、日本のアマゾン(Amazon.co.jp)とアメリカのアマゾン(Amazon.com)のふたつのサイトで購入した電子書籍をひとつのキンドルにダウンロードして読むことが目標である。

 

——しかし、国境はネット上にも存在した・・・

 

ネットで調べてみると、数年前までは確かにアメリカのサイトと日本のサイトをCONSOLIDATION(統合)する方法があったようだ。

日経新聞のジャーナリストがレポートしている記事で説明されている要領で、アメリカのAmazon.comのアカウントにログして、「日米アカウント統合」を選択できると書いてある該当ページを探してみた。

私の場合は、アメリカのアマゾンと日本のアマゾンのログに使用するメルアドは異なるものにしており、同じログにする・しないには賛否両論があるようだったので、別ログのままにしていた。

住所の方は、最初はフランスの住所を登録していたが、上記の日経記事によると、統合するためには米サイト内で日本の住所をメインアドレスとして登録、とあったのでそうしてみた。が、「アカウントを統合する」という選択肢はどこにも出てこない。

どうやら、その当時(記事は2012年10月26日付け)は、アカウント統合が可能だったようだが、現在はできない模様である。
残念・・・

しかし、たまにアメリカのミステリーや軽めのフィクションがむしょうに読みたくなるので諦めきれず、一応確認のため駄目元で、USアマゾンのカスタマーサービスにチャットで尋ねてみた。

以下、チャット内容の要約 ↓↓

Amazon.comとAmazon.co.jpの両方にアカウントを持っていて、ふたつのアカウントの統合が可能だと聞いたのですができますか?
アメリカのアカウントで購入したキンドル本を、日本のアカウントに登録されている電子書籍デバイスで読みたいので。

CS1:キンドルデバイスのシリアル番号をもらえますか?

G090 Gxxx xxxx 0xK5です。

CS1:あなたのデバイスはフランスのアマゾンのアカウントに登録されているようですね?

(フランスでもらったプレゼントだが、Amazon.frのアカウントには紐づけていない)
いいえ、登録しているのは日本のアカウントです。

CS1:でもあなたがいうログの日本のアカウントが見つかりません。

(今まで結構本買ってるんですけど・・・??)
とにかく、アメリカと日本のアマゾンのアカウントを統合することはできるのですか?

CS1:ノープロブレム!

え!?じゃあどうやってやるの?
現在はアメリカと日本のアカウントを別々のメールで使い分けているけれど、それも同じメルアドにした方がいいの?

CS1:もちろん、同じメルアドにしてもらっても大丈夫です!

そうじゃなくて、そうした方が統合がしやすくなるのか?、と聞いているのです。

CS1:ええと・・・

ここで、このなんとなくトンチンカンなCSとのチャット接続が切れてしまい、新しいカスタマーサービス2が登場(もしかしたら答え切れなくなって切れたふりをしたのか?と疑いたくなるタイミング):

CS2:すみません、回線が切れてしまったようで、私が今までの問い合わせ内容を引き継ぎます。

わかりました。でアカウント統合についてですが?

CS2:申し訳ありませんが、本は版権の問題がありまして、アメリカサイトで購入したものはアメリカサイトに登録したデバイスからのみ読めます。日本サイトで購入したコンテンツはアメリカサイトにログしたままでは読めません。

!おお。(そういえば、YouTube等のビデオで海外から見れないコンテンツがあるのも、この版権の問題だったということをすっかり忘れていた!)

じゃあ、ふたつの異なる国のアカウントにひとつのデバイスを登録しても、同時使用はできないということ?
できません。アカウントをスイッチする必要があります。

このCS2がCS1に比べてかなりデキル感じの人だったのは、ただ「できる」とか「できない」とは言わずに、「スイッチする必要があります」と言ってくれたところ。

つまり、積極的に勧めるわけではないけれど、単にログアウト、ログインを繰り返してアカウントのスイッチする手間さえかければ、同じ電子デバイスを使用して二か国で買ったコンテンツを読むことは可能、ということである。

アメリカにこの問い合わせをする前に、同じ内容を日本アマゾンのCSにもチャットで問い合わせたのだが、「現在は統合はできません。以前できたという件に関しては情報公開しておりません」の一点張りで、結局できなくなった理由の説明等は一切ないまま、くどいくらい「お役に立てず大変申し訳なく思っております」のみ。

謝るより、具体的な説明をしてくれた方が心から納得できて役に立つのになー、と丁重な人当りながらもかなりフラストレーションがたまったまま終了したチャットだった。

というわけで、とにかく現時点でに二か国のアマゾンアカウント統合はオフィシャルには無理という結論が確定。

まとめると、一般的に推奨できる二か国アマゾンの使い分け方は:

  • 日本のアカウントに登録したキンドルデバイスでは、日本アマゾンで購入した電子書籍のみを読む。アメリカのアマゾンで購入した電子本は読めない
  • タブレットも併せて所持している場合はそちらにキンドルアプリをインストールし、米アマゾンアカウント専用にしてアメリカ側で購入した書籍のみに使用する

キンドル ロゴ

上記の原則の抜け道として、一台のデバイス(キンドル、タブレット、スマホ、PC等)を最大限に活用したい人は、以下の方法もあり:

  • 読みたい本を買ったアマゾンサイトのログインで、本に合わせてログし直す
    ⇒ キンドルの場合、デバイス自体の再起動が伴うのでやや時間がかかるのが、まあ3~5分程度で終了。

 

ただ、複数の国のサイトでコンテンツを購入する際の以下の点に注意:

  • 幾ら現地価格で購入する方が多少安く見えても、購入予定の国で発行されたクレジットカードではなく、海外発行のクレジットカードで購入する場合、使用しているカード会社・銀行等の手数料がかかるので、少額のネット購入で必ずしも合計で安く付くかどうかは確認要(私が現在使用しているフランスのふたつの銀行発行のカードだと、5000円程度までならば1ユーロ=¥128程度の手数料が購入価格に追加)

 

フランスサイトとアメリカサイトの英語の電子書籍を比較してみると、価格が非常に似通っていて、日本とアメリカのサイトほどの価格差がない。

ないどころか、ユーロ高のせいで、フランスサイトで英語本を買った方が安いという現象さえしばしば起こっている。

このために私のケースでは、現在居住していてクレジットカードも保有しているフランスアマゾンと日本アマゾンの交互使用が一番合っていると判断という、以下のような解決法に到達:

  • 英語本はフランスアマゾンから購入し、キンドルは一旦日本アカウント(アマゾンアカウントA)からログアウト、再起動してフランスアカウント(アマゾンアカウントB)にログインして読む
  • そして、日本のアマゾンで買った日本語電子本が読みたい場合は、またまた再起動して日本アカウントに戻る

 

追記の注意事項:

PCから接続したAmazon.frのアカウント&リスト内「コンテンツと末端の管理」>「端末」からは、これから購入するKindleデバイスしか追加できないようで、私はここから新しい端末を追加することはできなかった。
なので、PCからの操作はやめて、直接キンドルデバイス本体から以下の操作を完了↓↓

  • 日本語サイトアマゾンアカウントAに紐づいている端末をクリック
  • アクションドロップダウンから、端末の登録解除をクリック(これでこのキンドル端末を別のアカウントに紐づけられる)

解除したばかりのキンドルを別のアカウントに再登録するには、同じデバイス内で以下の操作をします:

  • メニューアイコン → 設定
  • マイアカウント
  • 使用するAmazonアカウントアマゾンアカウントBを指定
  • 既存のAmazonアカウントに登録のオプションを選択し、AmazonアカウントアマゾンアカウントB情報を入力 → 登録を選択
  • 万が一まだアカウントを持っていないAmazonサイトに紐づけたい場合には、アカウントを新規作成のオプションを選択し、画面上の指示に従って新規Amazonアカウントを作成

 

現時点でのアマゾンファミリーサイトは、オーストラリア、ドイツ、ブラジル、カナダ、中国、スペイン、アメリカ、インド、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、イギリス、トルコ。

この中の数国間で自由に読書を楽しめるのがアマゾンの強みとも言えるところか。

もちろん、現在の電子書籍サプライヤーはアマゾンだけではなく、徐々に脱アマゾン化も進んできている模様で、これからの進歩が楽しみなところ。

電子書籍の素晴らしさは、なんといっても海外居住者でも日本語書籍が即座に入手できる点である。

もちろん、日本に住んでいても本屋まで行く必要がなく、本の収納スペースを節約でき、旅行に出る際幾冊でもお気に入りの本を持っていくことができる上、紙とインクの節約までできてしまう点で、真の文明の利器と言えるのではないかとひそかに考えている。

もちろん、紙で読む書籍の魅力、ページをめくる感覚、ポケットに入る文庫本のサイズ感と質感の良さは評価するが、日本語の本が簡単に入手できる国から一万キロ離れたところで暮らしていると、こうした利点に接する機会は激減するのが悲しい現実。

数年前まで、電子書籍が普及した現在では考えられないような苦労をして、帰国の際、文庫本をスーツケースの全ての隙間に詰め込んだり、帰省する人に頼んで持って帰ってもらったりしていたのがウソのような進化である。

また、距離を別にした二番目に大きいメリットは、私の個人的な習慣なのだが、読書の時間が基本的に深夜なため、ペーパーホワイトのバックライトを利用すれば一々ライトを付けなくても読書が楽しめる点。

本当にいつでもどこでも、というのを地で行く感覚。

飛行機で眠れない夜に隣人に気を遣わずに存分に読書できる自由は素晴らしいに尽きる。

三番目にメリットは、外国語で読む場合、辞書機能が一体化されているのもナイス(WIFIがつながっていないと辞書機能は使えない)。

最後に、各国アマゾンのログに使用するメールアドレスに関しての疑問を追記として記しておく。

私は日本以外の、米仏のアマゾンアカウントで同じメール・同じパスワードを使用していたのだが(アカウントを作った時期は別々)、アメリカのアカウントでキンドル本を見ようとすると、フランスのアマゾンのアカウントに送られてしまう。(アメリカのアカウントの住所は最初はフランス、現在は日本になっている)

その上、フランスのパスワードを変更すると、なんとアメリカのパスワードも一緒に変更されてしまう。

ということは、アメリカのアカウントは、フランスと同じメール・パスワード・住所で使用を開始したので、日・米でできなかったCONSOLIDATE(統合)というのがそもそも勝手にされてしまっていたということだろうか??

 

ただ、既にに統合済みのアカウントをお持ちの方は、どちらかの国で買ったコンテンツがある日突然読めなくなったのか、それとも以前と変わらず使い続けることができているのかは興味深いところ。
既に統合済みのアカウントをお持ちの方は、まだ使い続けることができているのか、ここ数年の使用中に何か変化があったのか等を、コメント欄からシェア頂ければ幸いです。

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