父兄会結成!
チビ太の幼稚園は朝9時に始まる。
というか9時までに学校のゲート内に入っていないと門が閉められてしまう。
フランスの幼稚園・小学校は親かその代理の大人(シッターさんとかおばあちゃんとか)が毎朝子供の教室の入り口まで連れて行くのが原則。
日本のような集団登校はない。
なので、うちの場合には8時50分〜9時の間に学校のゲート内に辿り着いていないと、親は門のところで子供とバイバイしなくてはならない。
遅れてきた子供は入り口のベンチに順に座らされて、まとめて門番か園長さんが各クラスに連れて行く。
これは子供にとってはかなりルーザーな状況である。
うちのチビ太はダディ造が送っていく担当だった日にしっかり遅刻。
それ以来、「もう絶対絶対遅れるのイヤ!」と断言している。
帰りは朝の逆ルートで、4時15分に親が教室の入り口で我が子をピックアップして連れて帰る。
うちの場合は幼稚園(Ecole maternelle)が終わったあと、同じ敷地内のお向かいの建物にあるソントル・ド・ロワジール(Centre de loisir)という保育センターに行かせているので、夕方6時頃そっちの建物に迎えに行く。
だから大体同じスケジュールで子供を送り迎えしている親達は、下手したら一日二回顔をあわせることになる。
同じ学区の学校に通ってるくらいだから、帰り道も同じ方向になりがちで、なんだかんだとお喋りする機会が多い。
それにフランス人はもともとお喋り好きなので、フランスの学童の父兄のつながりは自然と結構深まるようだ。(望もうが否や・・汗)
そしてフランスは大体どこの学校もそうなようで、うちの幼稚園にも父兄会というのがある。
フランス語ではレプレゾントン・ド・パラン・デレーヴ(Représentants de parents d’élèves)= 生徒の親代表、と呼ばれ、時々集まって寄合をしてるらしいこの父兄会のメンバーは、世話好きで時間に余裕のある親がクラスごとに自薦式で立候補し、新学期開始早々に選挙形式で選出される。
が、実質的には個人に対しての投票ではなく、すべての立候補者をひとつのリストにまとめてそのリストを認証するかどうかの投票。
しかもほとんどの場合はリストが一個しかないため、結局のところ、毎年そのリストに載っている人全員が必ず選ばれている。
これは私にとっては、大体選挙する意味あんの?というかなり不可思議なシステムだ。
だいたい、フランスで育ってない私には父兄会の存在意義そのものがわからんかったし、うちのクラスの立候補を見たら、新学期のクラス分け直後(まだ選挙リストが出てない時期)にあったクラスのプログラム説明会でやけに出しゃばっていた人だったので、なんかうざくて私は棄権。
だって、「次の連絡事項が滞らないように、連絡帳を受け取ったら必ず早目にチェックして学校に戻してください」とかいうような一年を通じてベースになる注意事項を説明しているクラス担任の横に、突然しゃしゃり出てきたデシャバリ母がこう提案したのだ。
「大事な連絡事項でしたら、クラスの全父兄のメルアドをもらえれば、漏れがないよう私から送っておきますよ!」
と。
私はびっくらこいたよ。
「え??大事な連絡事項であればこそ、先生から直接指示してもらいたいっしょ!!」
そして、
ねぇねぇ、ところであなたはいったいどちらさんなんですか・・??
どうやら、そのお母さんは上の子供が既に同じ幼稚園に在籍していたので、先生から門番まで顔が広く、いろんな園内の事情にも詳しいらしい。
・・でもこれは後日知った情報。
とにかく、事情を知らない私みたいなよそ者からみたら、このデシャバリさん、いったい何様?って感じ。
まず父兄と先生の立場は違うのを認識しようね、と思うんだが。
教育熱心なのか、親切心が過ぎるのか。
はたまた暇なのか。
まフランス人は世話好きな人多いからな。
ま、ともあれ私が棄権しようがしまいがそんなこと御構い無しに、このデシャバリ母さんを含む選挙リストは通り、結果的&義務的に結成された幼稚園の父兄会。
でも、今年の父兄会はなかなかいい仕事をしているようで、昨秋からは学校の遊戯設備をもっと充実させよう、という目的で、二、三ヶ月ごとの決められた日に父兄が自家製ケーキやクッキーを登校時に園長先生に渡しておくと、それを父兄会メンバーが夕方子供の帰宅時間帯に販売して資金稼ぎをしてくれている。
持ち寄りのおやつを一個50サンチーム(60円)という良心的な値段で売って、毎回数百ユーロの売り上げを積み立てて学校施設を充実させようという試み。
これはほんとにグッド・アイディア。
チビ太もスタンドが出る日は、「ちゃんとお財布持ってきてね!」と朝から出店にいく感じでワクワクしている。
まこうして念押しするのも、初回のスタンド出店日に、ダディ造はそんなことすっかり忘れて手ぶらでお迎えに行ってしまい、チビ太は50サンチームのパウンドケーキが買ってもらえなかったという超ルーザーな気分を経験をしたせいなんだけどね・・(笑)
親が適当だと子供がその分、気遣ってくれるようになるみたいですね(笑)。