2024年夏季オリンピックはパリ!
とフランスメディアは報じている。
ライバル都市のハンブルグ、ローマが次々と脱落していき、二月末にブタペストが財政問題から撤退を表明して、残るはロサンゼルスのみ。
1992年、2008年、2012年と三度に渡って苦渋を飲んだパリは、これが決定すれば1924年以来、つまり百年ぶりの開催である。
ゴロが良すぎて、もうなにがなんでもこのオリンピックはパリ!と切願するわけである。
この機会を逃したらきりがいいのは100年先、2124年?
だが、いくらなんでも「200年ぶり、パリでのオリンピック」は気が長すぎる。
また、パリ決定が強く予想されている理由は、アメリカの新大統領トランプがよりによってムスリム・バン(Muslim Ban)公約を打ち出しているからである。このイスラム教徒が大多数を占める七カ国(イラン、イラク、シリア、リビア、ソマリア、スーダン、イエメン)の国籍保持者の入国を禁止するという措置は、全世界のスポーツの祭典、であるオリンピックとは全くコンセプトがずれているため、「いくらロサンジェルスでもこの大統領の下じゃムリでしょ?」というわけである。
この状況では、2024年の夏季オリンピックがパリに決定されても全然おかしくない。
一年前に出された英ブックメーカーの賭け率は、パリ1.9倍、ローマ3.8倍、ロサンゼルス4.3倍、ブダペスト10倍だった。
今回のオリンピック選考過程のスケジュールは以下 ↓↓
2015年9月15日 立候補都市の申請提出期限。
2017年1月 各都市の立候補書類提出期限。
2017年4月〜5月 IOC五輪評価委員会の各候補都市を視察。
4月23~25日 ロサンジェルス
5月10~12日 ブダペスト
5月14~16日 パリ
2017年7月11日&12日 評価委員会が候補都市の評価報告書を公開。
2017年9月13日 南米ペルーのリマで開催される第130次IOC五輪総会で開催地を決定。
というわけで、五輪評価委員がこの春パリへやって来る。
この視察、私はミシュラン評価をしているグルメ特派員のように匿名でやってくるのかと勝手に想像していたが、オリンピックはちゃんと会場案内等が必要なので公式訪問でオフィシャルサイトに視察予定日もちゃんと明記してありがんした・・
ブダペストはまだ正式撤退ではないからまだ視察日程に入ってるんでしょう。。
当初は予算面の負担が大きすぎるとしてオリンピック候補参加に乗り気でなかったイダルゴ・パリ市長も、2016年3月にはテロの影響で激減した日本人観光客をパリに呼び戻すため、イル・ド・フランス地域圏議会のぺクレス議長と日本まで足を運びパリ観光の売り込みに力を入れていたし、東京オリンピックの後のパリ、今となってはとってもほしい五輪である。
さてさて、今年六月の五輪評価委員会の報告が楽しみどすな!
このオリンピック騒動のなかで、いかにもフランス、って感じで面白い物議をかもしだしているのが、パリが打ち出したスローガン:
MADE FOR SHARING
「何故に英語?!!」と各メディア、超反応してます。
「こんなスローガンはフランス語に対する侮辱だ!」と抗議している団体も出てます。
英語表現が含まれる広告には必ず仏訳をつけることが義務付けられている国では、こういう国際的イベントのスローガンもやっぱりフランス語の方が当たり障りなかったみたいね。。
私は個人的に英語でもフランス語でもどっちでもいいのだが、この「訳:分かち合うために」とかいうスローガンはちょっとダサくてインパクトないね、と。
でも前回2012年に落選したときのスローガンは、「国際イベントのくせにフレンチすぎる!」という非難をうけたバリバリのフランス語 ↓↓
L’amour des Jeux
(訳:ゲームへの愛)
母国語へのプライドと国際社会状況等々、いろいろ複雑とね。
でもまだこっちのスローガンのほうがスカッとしてて好きだな。