紙袋 by ジムーン

スイス人アーチスト・ジムーンの音感インスタレーション@ル・ソンカトル

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パリ19区のル・ソンカトル(Le 104)にベルン在住のスイス人アーチスト、ジムーンのインスタレーションを見に行った。

私は知らないアーチストだったが、音響メカニズムと組み合わせたダンボール箱やクラフトの紙袋を使い、ミニマルな雰囲気のインスタレーションを数多く制作している。

特に印象的だったのは、部屋の壁一面にぎっしり隙間なく積まれたダンボールが唄っているインスタレーション。

昔みた怖い映画『キューブ』(1997年)の場面にそっくりだ。
(観た後はマジで体を四角に切らして死ぬのはいやだーと悪夢に出てきた)

それぞれの段ボール箱中央部で、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)製のゴルフボール大の玉がダンボールを継続的に叩き続ける音が足元から背中から頭の天辺から色んな所から入ってくる。 ↓↓

ダンボール箱 by ジムーン(2017))

日常生活の中では、ものの音源は一箇所から出てくるのが普通なので、自分を囲む全てのスペースから少しずつずれた間隔で同じような音が自分めがけて降ってくるのを体感するのは、すごい圧迫感である。。

耳だけで聞くのではなく、体全体で音と振動と重力を感じる、という感じ。
毛穴からも体の中に音が侵入してくる。

高い壁いっぱいまで積まれたダンボールのビジュアルがお目当てで付いてきたチビ太は、これが一番のお気に入りだったよう。

壁に吊り下げられた木の棒が、メカニズムと接続されてカランカランと壁を打ち続けるインスタレーションは雨の音みたいで、どこか日本庭園を彷彿とさせないでもない ↓↓

ウッド・スティック by ジムーン(2017)

最後はミニバンのような車体に下から潜り込んで、四角く切ってある床穴から頭を突っ込むと、四方八方から紙袋が立ち上がっているインスタレーション ↓↓

紙袋 by ジムーン(2016)

紙袋が中の小型扇風機に扇がれるパタパタという音と、この超閉塞感・・

病みつきになりそうな親密な感じと、シンプルなビジュアルインパクトに、「振動も音なんだ」という発見。

期待せずに来たけど、八月まで続くこの展覧会、もう一回来たいなー。

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『循環するメカニズム』by ジムーン(MÉCANIQUES REMONTÉES by Zimoun)
2016年3月25日(土)~2017年8月6日(日)までル・ソンカトルにて。

Le Centquatre (Le 104)
5 rue Curial – 75019 Paris
TEL:01  53 35 50 00

地下鉄:Riquet(7番線)、Rosa Parks(RER E線 / トラムウェイ 3b)

2016年3月25日(土)~2017年8月6日(日)。
開館時間:水・木・土・日曜 14時〜19時(学校期間)、火・水・木・金・土・日曜 14時~19時(学校休暇期間)
閉館日:月曜

入場料
大人:5 €
割引:3€
メンバー/15歳未満:2€
家族割引:7 € (3名まで)
無料:6歳未満
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