フランスのクリスマス
うちは叔母さんちに毎年泊まり込みノエル(クリスマス)。
お互いの家がパリをはさんで反対側にあって近所とはいえ何気に一時間近くかかるため、腹いっぱいご飯食べた後に帰宅するのが面倒なのもあって、チビ太が誕生して以来ずっとお泊りクリスマス。
ついでに翌朝早くにクリスマスツリーの下にこっそりプレゼントを置いておくこともできるので子連れにはナイスなイブの過ごし方で何気に気に入ってる。
叔母さんが夕方五時くらいまで用があって料理にとりかかれなかったとかで、恒例の雄鶏の丸焼きがオーブンで三時間かかるため、今年のイブの夕食スタートは遅めの九時。
私らは六時半くらいに到着したので、ゲームしたりしてご飯待ちしていたのだが、叔母さん宅では格好の時間潰しになるビデオが見れないので八時になる頃にはチビ太はすっかり飽き、「ご飯は~?」「もう家帰りたーい」モードに突入。
「いい子にしてたらサンタさんが来てくれる」というクリスマスの特効薬的おマジナイも九時過ぎると、「サンタさん、本当に来てくれるの??」という猜疑心に変わる・・。
よりによってノエルディナーのある日の昼ごはんを遅飯にしてしまったため、いまいち腹が空いておらず、天然スモークサーモンのアペリティフにも全然食指が動かない・・
そして、いよいよ主役のシャポン(Chapon)と呼ばれる巨大雄鶏がオーブンからこんがりいい感じで焼けて登場。まわりに栗を敷き詰めて一緒に焼くのが伝統らしく、おまけにさらに栗のピューレも添えられていてまさに栗三昧。
私は天津甘栗は好きだが特に栗好きというわけでもないので、栗の部分は肉より控えめに自分の皿にサーブする。
腹の空いていない少人数のクリスマスディナーなので、食後のチーズはパスして、うちの近所の国家最優秀職人賞(Meilleurs ouvriers de France)というフランスの優秀なクラフトマンやお菓子屋に与えられる称号をもってる菓子屋で注文したビュッシュ・ド・ノエル(切り株型ケーキ)にとりかかる。
ロワイヤルという一番クラシックなココアクリームのビュッシュ。大人四名+子供一名でも四人用のサイズで十分である。お味の方は粉砂糖のザクザクした口当たりがなかなか・・と言いたいところだが、やっぱり私はそもそもビュッシュというものが全然好きではない。
うまいチーズケーキの方が百倍いい。しかし、そこはやはり伝統的な日の集まりなので、叔母さんや義理母に向かって、もうこういうこってりまったりビュッシュはなしにしませんか?とも言えずとりあえず同じ伝統を続けているここ数年。きっと息子の彼女かなんかと祝うことになった日にはビュッシュはうちのテーブルから消えてることだろう・・
今年のクリスマスは参加者が皆それぞれ時差ボケ、仕事疲れ、その他疲れで、さほどシャンペン好きもいなかったためシャンペンも開けずにあっさりディナーを済ませて、私は食後にチビ太と十分くらい遊んだら、もう疲れて目が開かないという情けない状態に・・
よく知ってる叔母さんなんで早めに寝させてもらえてよかった。ふぅ。
翌朝は七時頃に義理母がコソコソ歩いてる音で目が覚め、その機会を利用してクリスマスツリーの下の全員の靴の上にそれぞれのプレゼントを置いてまわり再び寝入る。。
私はまだまだ寝足りなかったので、クリスマス朝っぱらからお喋りを初めたい様子の義理母は相手にしないでさっさと寝床に戻る。
約二時間後に目覚め、「わーサンタさんやっぱり来てくれた~~♫」とチビ太は早速プレゼントを開け始める。プレゼントの数が断然多いので、がんがんビリビリ開けてもまだまだある。
これをまた全部カバンに詰めて家まで持ち帰らなければならないのも結構な荷物だなー、と密かに溜息。
一ヶ月くらい前から始まるネット注文も含めクリスマスは、小包を右から左に動かす配送の時期。
サンタさんも実は宅急便に雇われてるのかもな・・