アール・エ・メチエのパリ工芸博物館に行く
チビ太が今週から来週いっぱいまで冬休み。
気候もまだ寒いし、お友達一家が小旅行に誘ってくれたけど幼稚園で一番仲良しのお友達の誕生会に当たっていたのもあって、このお休みは近場で楽しむのんびり家休暇。
実は私が一番好きなタイプの休暇である。
行ったことのない土地に行って新しい街を発見するのも楽しいが、子連れだと行き当たりばったりで決めるのも限界があるし、休暇時期も決まっているので泊まるところくらいは予約しとかなくてはいけない。
近場のキャンプなら予約なしで行くこともあるが、シーズン中だとロケーションのいいキャンプ場はすぐ満員になるらしく、直前まで余裕こいてたらどこにも泊まれなくなりそうになったこともあったしな・。・
で昨日はミュゼ・デ・アール・エ・メティエ（パリ工芸博物院）に行ってきた。
ご近所にある奇抜なポンピドーセンターに比べると、こちらはかなり地味な外装。
知らなかったら中に膨大なインダストリアルデザインのコレクションをもつ博物館があるって感じはしない。
午前中に行こうと思っていたのにいつの間にか昼過ぎになっていたので、まず近所にあるミニ・チャイナタウンの中華料理屋で腹ごしらえしてから向かう。
地下鉄の中でダディ造が展覧会ポスターに家族揃ってやってきた展覧会は『描画マシーン』（直訳だが、「書くマシーン」＝「タイプライター」みたいな単語がない・・）。
出典：パリ工芸博物院
この展覧会の主旨は、「正確さと想像の間に位置する、技術的かつ詩的な活動としての絵画にスポットライトを当てる」ということらしいぞ（le dessin s’y dévoile comme une activité à la fois technique et poétique, entre précision et imagination）。
うちらは揃ってこういうレトロな硬めの未来派イラストが好きなので、ワクワク
チビ太も電車の展示もあるときいてワクワク
本当はチビ太は一回来ているが、前回はまだチビチビだったため全然覚えていない模様。
ポスターになっている異星人？人形に入口でお出迎えされ、雰囲気作りのためか展示されているコレクション器具の保存のためか、とてもくら～い内部へ。
ちょっと不気味な雰囲気でチビ太もやや怯え気味・・
そして一歩展示室に足を踏み入れると、フリッツ・ラング監督の20年台の映画「メトロポリス」の世界が彷彿とされる未来的な形をしたレトロな工芸品が一杯ある！！
フランスの新幹線・TGVの模型から機関車、天体観測の器具、オートバイやバスの原型プロトタイプ、飛行機のモーター、近視と遠視の原理を説明する器具。。
そして展示ルームの一番奥には十台あまりの製図デスクが置かれ、ビジターがそれぞれの場所に陣取って、中央に置かれたオブジェを黙々と写生している。まるで芸大の雰囲気・・
ここでようやくチケットと一緒に渡された鉛筆がただのお土産ではなかったことを理解した。
チビ太はお姉さまが立って写生していたデスクに半分スペースが空いていることを目ざとく見つけ、さっさとお隣に陣取ってお絵かきモードに入る。
暇なので写生なんて一体いつからやってないのやら・・だが、とりあえず置いてある紙にそれぞれ写生開始・。・
手元だけ照らしてくれるランプの温かい光、みながコリコリと鉛筆を走らせる音。
学生時代を思い出す雰囲気と空間である。
かなり落ち着ける～。
五分もいるとまるで自宅状態にくつろいできた。
結局三人揃って三十分ぱかしお絵かき。
懐かしくてなかなかいい気分だった。
チビ太は置いてあるオブジェは完全無視して、このところオキニの『アドベンチャー・タイム』のフィンとバブルガム・プリンセスとジェイクをA3の紙一杯に描いて大満足。
同じチケットで上階にある盛り沢山な常設展にも入れるし、敷地内にあるサンマルタン・デ・シャン教会内のフーコーの振り子はいつまで眺めても見足りない。
本当に何度でも行きたい場所のひとつである。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
『MACHINES A DESSINER』
2016年10月25日（火）〜2017年3月26日（日）までパリ工芸博物院
MUSÉE DES ARTS ET MÉTIERS
60 rue Réaumur
75003 Paris
TEL：01 53 01 82 00
地下鉄：Arts-et-Métiers（3＆11番線）、Réaumur-Sébastopol（3＆4番線）
バス路線：20、38、39、47
開館時間：火曜～日曜、10時～18時。
毎週木曜は夜間営業21時30分まで。
閉館日：毎週月曜、5月1日、12月25日。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *