マルセイユの叔父さん
昨夜、南部の海辺の古い街マルセイユに住んでいる叔父さん夫妻がうちに夕飯を食べに来てくれた。
六年ほど前、まだチビ太が生まれる前に一度会ったきりの叔父さん夫婦である。
義理のばーちゃんの付き添いと旅行がてら付いて行ったらびっくりするくらい大きなテラスが最上階にある海の見えるアパルトマンに住んでいた。
そして二人ともとても親切で感じの良い人だった。
叔父さんは隠居、奥さんもだいたい同じ年齢のドイツ人のピアノの先生で今はボランティアでコンサートアシスタントをやったりしているらしい。
カトリック教会の運営している移民向けフランス語教室の先生も二人揃って時々やっているとか。
一回しか会ったことなかった叔父さんだったけど、常々いいな〜と思うのは寡黙だけど人当たりがいい第一印象のせいだけでなく、年の瀬になると毎年必ず家族関係者全員に『お手紙』を送ってきてくれるせいだ。
要は今年はこの街に行く機会があったとか、孫の○○ちゃんと何とか海岸で楽しい夏休みを過ごせたとか、一年の自分たちの生活のハイライトまとめなのだが、家族関係のイベントが核になっていてアルバム風に写真もいっぱい入ってて、会ってなくてもなんとなく彼らが過ごした楽しい時間が想像できて心温まる年末のお手紙なのだ。
こういうお手紙を毎年ちゃんと年越し前に送ってきてくれるのはいいなぁーと。
彼の家族思いなとこが滲み出てる。
それに七十代も後半になってのコンピューターでこういうアルバム風日記をパワーポイントで作るのは結構大変なようで、「引退生活中にも学ぶことはいっぱいあるが、もー年末のこれ作るのにも苦労してねー」とちらっと書いてあるのも微笑ましい。
そういう叔父さん夫妻がまだチビ太に会ったことがないというので、パリに遊びに来たのを機会にうちにも来てくれた。
そうでもしてくれなかったら、私らだけでマルセイユまで訪ねて行くほど親しいわけでもないので良かった。
そもそも義理ばーちゃんの弟なのだが、姉弟自体があまり親しくないようで、毎年フランスに来ても弟の家に行くのは二、三年に一度くらいのようだし。
私もダディ造も家族があまり多くないので、こういう親戚はいてくれてありがたい・・
なんて思った土曜の夜だった。
ただ日中家族で出かける用事が入っていたため、朝六時からデザートのチョコレートムース作り始めなきゃいけなかったのはちょっときつかったけどな・・